マインドフルネス自己洞察法とは、
自分らしく生きていく事が出来る心理療法です
マインドフルネス心理療法(SIMT・シムト)とは、マインドフルネス総合研究所の大田健次郎氏がご自身の体験をもとに、西田哲学(西田 幾多郎)とうつ病の脳神経生理学の研究成果を応用して開発し、うつ病や不安障害やパニック障害やPTSD等の精神疾患の症状に悩む方のサポートを目的とした心理療法です。
マインドフルネス心理療法は、欧米を中心に心の病気の治癒・予防や身体的痛みの軽減などに役立てられています。その中には、マインドフルネス心理療法としてのストレス軽減法等がありますが、私たちが行っているマインドフルネス心理療法はそれらの手法・目的等が異なります。
また、日本ではうつ病の治療に効果的な心理療法としては認知行動療法が知られていますが、マインドフルネス心理療法では認知行動療法の特徴である、認知の歪みを修正するという考えはありません。
マインドフルネス自己洞察瞑想法のはじまり
日本の大手企業で働いていたビジネスマン(大田健次郎氏)が、日々の業務のストレスからうつ病を発症し、重要な職務を遂行できない状態になってしまいました。休職はしなかったものの、なんとかもとのように健康な心になりたいと思っていましたが、ある医師から仏教をすすめられてから、多数の仏教書を読み、その結果最終的にたどり着いたのが坐禅でした。坐禅をするうちに次第に本来の自分を取り戻す事が出来るようになって行きました。
その後、自分自身がうつ病から脱する事が出来たのだから、坐禅の中で心の使い方の説明を加える方法を開発して、その手法で多くの人を手助けしたいと活動を始めて行くうちに、海外で行われているマインドフルネスの手法と同じ事が多い事に気付き、マインドフルネス自己洞察法(SIMT)として活動を行っています。
マインドフルネス自己洞察瞑想法の特徴
その内容は、マインドフルネス(注意を向ける)と、アクセプタンス(あるがままに観察して受け入れる)の訓練をもとに、呼吸法を通して、健康な心の使い方を身に付けて行きます。
マインドフルネス心理療法の特徴は、再発のリスクが少なく病状改善してからもさらに、自己探求を深めることができることです。ですので、マインドフルネス心理療法はそれらを超えた第三世代の認知行動療として注目されています。
たとえ困難なことが起きても、乗り越えていける力を養い、いきいきと自分らしく生きていくことが可能なのです。さらに、薬に頬らない生活を取り戻しつつ、この病気の最も恐ろしい再発を未然防ぐことが可能です。
マインドフルネス自己洞察瞑想法のセッションの内容
呼吸法と洞察法を基本的にセッションと言う場を通じて行っていきます。セッションは10回の参加の中で、順次マインドフルネスの手法を繰り返し指導して行きます。マインドフルネスを頭で覚えるのではなく、マインドフルネスを身体で覚える(身に付ける)事で、セッションの参加者の症状(うつ病・不安症・パニック障害等)が次第に楽になって行く事の繰り返しから、症状の改善や完治に至ります。
マインドフルネス自己洞察瞑想法のその効果とは
マインドフルネス自己洞察瞑想療法の目的は、うつ病や不安症(不安障害)、パニック障害、PTSD等の症状が楽になり自分らしく生きて行く事が出来る事を目指して行く事です。その為に、セッションの中で指導しています呼吸法や洞察法を繰り返し行う事により、参加者のほとんどの方が症状の緩和に至ります。その結果、薬の減薬や断薬に至るのです。(但し、参加者の環境や生い立ち等により症状に個人差がありますので回復状況にも個人差があります。)
マインドフルメイトの完治の定義
マインドフルメイトが行っていますセッションの目的とは・・・
〇再発を繰り返さない自分になる
〇お薬を飲まないで普通の生活が出来る事
マインドフルネス自己洞察瞑想法と西田哲学
自己洞察瞑想療法(SIMT)は、自身の心の観察の実践や、自身の心やその周辺を取り巻く世界について論理的に説明した西田哲学、また心の病気についての脳神経生理学を融合させ、日本で開発されて20年近く臨床的に用いられてきました。
社会生活の崩壊反応について
私達は、日々の生活の中で思いどおりにならない出来事があった時に、 その事に対して不快な思考(例-不安・恐れ・怒り・憎悪 等)を繰り返し、マイナスの感情(怒り、不安、嫌悪 等)を引き起こし、こうした不快さを軽くしようとして、根本的な解決にならない行動に移ります。
そういった行動は、不安や苦悩の思考の繰り返し、他に依存的する行動、困難な事からの回避、ひきこもり、自傷行為、暴力行為、犯罪行為などがあります。
その事は、根本的な解決にはならないので、苦痛の思考を繰り返して行く事により、脳神経生理学的な反応をもたらし、心の病気になって行きます。
うつ病の場合には、不快な感情によって、ストレスホルモンの過分泌が行われて脳神経の機能を傷つけると言われています。
不安障害の場合には、扁桃体が過剰に反応しやすく、前頭葉(前頭眼窩皮質)がうまく扁桃体をコントロールできていない為に、社会的な行動を回避(乗り物に乗れない、買い物に行けない、 集団の中にいられない 等)してしまいます。
心の病気になると、上記の症状がつらい上に、脳細胞(前頭葉)がスムーズに働き難きなる為に、思うように仕事ができなかったり、他者とのコミュニケーションが難しくなったりします。また、身体的な症状(痛い・辛い・重い・等)も起きて来る事も多く、こうした状況を苦悩する思考、不快な感情、非機能的行動が繰り返されます。心の病気は薬物療法で治る人もいますが、薬物療法で治らない事も数多く報告されています。
心の働きを深く洞察して社会生活実現の反応について
1. 意志作用のはたらき
西田哲学によれば、私達の意識作用には比較的浅い位置と奥深い位置とがあると言われています。見る、聞くなどの感覚(知覚)は浅く、思考(考える働き)はそういう知覚をも対象にしますので、思考作用は感覚より深い位置にあります。 その思考よりも深い意志作用があります。
感覚や思考、感情などの作用を観察する作用(作用の作用)があります。そして、感覚、感情、思考が不快であっても、非機能的な行動をとらずに、冷静に建設的な思考や行動を選択する作用、決意し実行する作用もあります。
こうした、種々の作用を観察して、建設的な行動を選択する統合的な作用を意志作用といいます。
こうした意志作用を繰り返し実行する事により、不快な思考、不快な感情、非機能的行動を回避・抑制する事になりますので、脳神経生理学的に変調を起こしている部位(扁桃体・前頭前野等)に、適切に反応をして行く事になりますので、心の病気の症状が改善していきます。
その事は、不快事象があってもすぐに非機能的思考・行動をせずに、冷静に観察して、その事象の特徴を知る局面と、建設的な対策、建設的な行動をする局面とがありますが、意志作用を適切に行使できるようになることによって、 心の病気を予防したり治したりすることが可能になります。
具体的には、呼吸法をしながら、不快事象を排除も逃避もしようとせずに、そのままに観察する訓練をします。日常生活の行動中に不快事象がおきても、建設的な行動を選択、実行することに応用します。
2. 直観作用のはたらき
西田哲学によれば、意志作用よりもさらに深い「直観」という作用があります。 自己を場所的なものとみて、種々の作用やその対象が自己の心の場所においてあると見ます。
知的に理解するだけではなくて、実践的に観るように訓練します。 ものごとを外部に見ないで自己と同一と見ます。すべて、自己の上にあるものと見る観察の実践と生活の中での実際適用を続けます。考えられた自分は浅い表面の思考の内容(対象)ですから、真の自己とはみません。
その事で、自己自身を対象的に思考(自己嫌悪、自己批判)して苦しむことを止める事に繋がって行きます。さらに、自己の心の場所(主観)に対象(客観)や作用があると言う事に気付いて来ます。現われる現象は必然なるものであると受容しながら、新しい今と、未来を創造する行動をとることが出来る自己である事を自覚する事により、不快事象の受容しつつ、建設的な反応様式を模索しながら繰り返しトレーニングを行って行きます。
その結果、現実の生活の中で実際の社会的行動ができるようになり、脳神経生理学的にも健康な反応となりますので、心の病気が良くなって行きます。
セッションの後半に掛かり、いくらか症状が残っていても自己洞察瞑想療法を繰り返しつつ、受容して行く事により、社会生活に支障がないように生きて行く事が出来ます。
(SIMTとは、Self Insight Meditation Therapyの略。自己洞察瞑想法)
この記事は以下の方が執筆しています。
佐藤福男
〇資 格 : マインドフルネス瞑想療法士(マインドフルネス総合研究所) マタニティー / 0才児 指導者資格(幼児開発協会) 一般旅行業取扱主任者(国家資格) 〇役 職: 非営利型一般社団法人マインドフルメイト代表理事・ マインドフルネス乃学校 学校長